日本生命カップ2025 第2戦:日本 74-53 オランダ「トムヘッドコーチの言葉を信じて徹底し続けたい」中村太地選手
2025年7月6日
有明アリーナ4連戦の最終日。男子日本代表は、日本生命カップ2025でオランダとの2戦目。昨日の敗戦を修正し、74-53でリベンジを果たします。第2戦でロスター入りした中村太地選手(島根スサノオマジック)が3ポイントシュートを4本成功させてチームハイの16点、守っては狩野富成選手(サンロッカーズ渋谷)は5リバウンド、ブロックショット4本、昨シーズンはB2で活躍した選手たちが勝利に貢献しました。
第1戦は序盤こそ良かったですが、ジリジリと追い上げられて逆転負け。第2戦も第1クォーターで21−13と8点差をつけてスタート。続く第2クォーター、初出場の山﨑一渉選手(ノーザン・コロラド大学)が3ポイントシュートを決め、11点差に開きます。ジェイコブス晶選手(フォーダム大学)の3連続得点をはじめ、昨日とは違った展開になったのも「若い選手たちのおかげです。今日は出だしで10点差にしてから、20点差に引き離したのが良かったです」とトム・ホーバスヘッドコーチは昨日から巻き返して勝利した選手たちを称えました。
第1戦の15点に続き、14点とスコアでチームを引っ張るジェイコブス選手。「チームで一番点を取りに行くというメンタルはさほどないですが、僕がプレーしやすいようにガード陣がゲームを作ってくれることで、僕の得点につながりました。まわりの動きに合わせた良いプレーが多く、それもチームバスケができているからだと感じています」と得点の要因を挙げます。
チームハイの16点を挙げた中村選手の活躍は、ホーバスヘッドコーチにとってもサプライズでした。「太地は、自分の役割が練習中は全然できていませんでした。イメージとしては須田(侑太郎)選手のように動いてシュートを打つこと。でも、彼はドライブをしたい気持ちが強く、キャッチするときにドリブルしてしまっていました。それに対して何回も注意しました。注意するとダメになるか、逆に気合いを込めて見せてくれるか、2つのパターンがあります。今日の太地はしっかり自分の役割を見せてくれました。所属チームとの役割は少し違いますが、彼はそこに気付いたことがすごく良かったです」と日本のスタイルにフィットさせてきました。
中村選手自身は、「ディベロップメントキャンプのときに『あなたは何をするか分からない』と言われました」とBリーグとは異なるマインドセットに切り替え、日本代表の歯車としての役割を見つけなければなりません。昨シーズン、ライジングゼファー福岡では3ポイントシュート成功率37.4%(80/214本)と確率だけではなく、試投数も増やしました。しかし、プレースタイルとしてシューターではないと思っていた中村選手は、ドライブも多用しながらアピールすると、ホーバスヘッドコーチから何度も劇が飛びます。今では役割が明確になったことで、「10回中9回は3ポイントシュートを打つつもりでボールを受けるようになりました。トムヘッドコーチの言葉を信じて徹底し続けたいです」と新境地を切り拓いています。
ホーバスヘッドコーチの下ではじめてバスケをする選手も多いですが、第1戦に敗れた後、良くも悪くも課題や修正点を話し合い、「みんなが同じ考えだったので、下を向くことはないです」と方向性は間違っていません。勝っても負けても、今は試合をすることが「若いメンバーにとって必要な経験でした。ここから私たちの旅がはじまったと感じます」とホーバスヘッドコーチは述べ、ロサンゼルス2028オリンピックへ向けた新しい道を歩みはじめました。
1勝1敗で日本生命カップ2025を終えた男子日本代表は、7月9日から第2次強化合宿は韓国遠征を実施。帰国後すぐに第3次強化合宿がはじまり、7月19日(土)・20日(日)にはLaLa arena TOKYO-BAYにデンマークを迎える「SoftBank CUP 2025」。継続した強化によってチームづくりを行い、8月5日(火)からサウジアラビア・ジッダで行われる「FIBAアジアカップ2025」へ挑みます。