日本生命カップ2025 第1戦:日本 70-78 オランダ「良い負けだったと言えるように」川島悠翔選手
2025年7月5日
日本生命カップ2025が有明アリーナで開幕し、男子日本代表はオランダと対戦。パリ2024オリンピックメンバーのジェイコブス晶選手(フォーダム大学)が最多の15点、キャプテンのジョシュ・ホーキンソン選手(サンロッカーズ渋谷)が14点を挙げましたが、第1戦は70-78で敗れて黒星スタート。トム・ホーバスヘッドコーチは、「合宿中は新しいディフェンスやオフェンスの動きをいろいろ入れて悪くなかったですし、イメージはできていました。でも、今日は相手のプレッシャーに負けました」と敗因を挙げます。スタッツの中で唯一上回ってはいけないターンオーバーが15本、オランダ(7本)の倍となるミスで流れを逸しました。
エキシビションゲームではありますが、日本代表ユニフォームを着てデビューを飾った湧川颯斗選手(三遠ネオフェニックス)とテーブス流河選手(ボストン・カレッジ)はどちらもポイントガード。4点、3アシストとともに、ターンオーバー3本のテーブス流河選手に対し、「練習中はアグレッシブにペイントアタックし、シュートもきれいに決めていました。でも、今日はチャンスがあったのに、リングを見ていなかったです。デビュー戦なのでそれも致し方ありません」とホーバスヘッドコーチは許容し、この2試合で少しずつ経験値を積み上げる機会を与えます。
ホーキンソン新キャプテンは、「新しい選手も増えた中で合宿期間が短く、難しいゲームでした。もちろん代表としてのプレッシャーもあります。でも、この試合は若手選手にとっては本当に良い経験になりました。負けた事実は変わらないので、明日の試合でしっかりカムバックして、チーム一丸で戦っていきます」と述べ、新たな立ち位置で仲間たちとともに引き上げていきます。
ホーバスヘッドコーチも「負けたのは悔しいですが、良い勉強になりました。これまで10日間の練習期間でも波があり、この試合も同様です。第1クォーターの入りは結構良かったですし、あのようなバスケを40分間見せたかったです。今はガマンするしかないです」と経験浅い若手選手たちに日本代表のスタイルを浸透させるためには時間が必要です。
2023年のアジア競技大会や有明コロシアムで開催した昨年のFIBAアジアカップ予選(グアム戦)に18歳でデビューを飾った川島悠翔選手(シアトル大学)。「(国内で)2回目の代表戦でしたが自分のことで精一杯で、もうガムシャラにがんばりました。その中でもジョシュをはじめ、吉井(裕鷹)さんや西田(優大)さん、(テーブス)海さんらベテランの方が声をかけてくださって、たくさんのアドバイスをいただき、試合中でもいろいろなことを学べました。負けはしましたが、良い負けだったと言えるようにしっかりとビデオを見直して、明日は良い結果を出せるようにがんばります」と20歳になった川島選手は、13本のチーム最多のリバウンドを取って活躍。そのリバウンドとディフェンスの役割を与えたホーバスヘッドコーチでしたが、川島選手をどこのポジションで起用するか頭を悩ませていました。
「体格的に3番(スモールフォワード)で起用したいですが、その技術がまだ少し足りないです。そこがうまくできるようになれば、本当にすごい選手になれます。日本代表の4番(パワーフォワード)はピック&ポップからの3ポイントや、ストレッチコーナーのポジションですが、彼はまだそこまでの選手にはなっていないので、どこのポジションが良いかは迷いました。一昨日の練習では少し身長は小さいけど、身体が強いし、ドライブもできるので5番(センター)を試してみました。また、どのポジションで起用するかを決めかねていますが、それでも今日のようなパフォーマンスがしてくれるのが彼のすごいところであり、大きなファーストステップになりました」
昨シーズンは試合にこそ出られなかった川島選手ですが、アメリカの大学環境で練習し、さらに代表合宿で切磋琢磨しながら自信を深めています。「最終的な僕の目標はNBA選手になること。このサイズ(2m)で世界と戦うには3番もしくは2番(シューティングガード)にならなければいけないと思いますし、大学でも技術を学んでがんばっています。でも、まだそのポジションでプレーしたことがないので、まだまだやることは多いです。今はコーチが何を求めているかを意識し、自分がやれることを精一杯やるだけなのでプラスに捉えてます」と近い将来の目標につながる経験を貪欲に吸収しています。